“濃厚な3ヶ月”
辻 隆宏
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私は、すでに退職しましたが、10年間、日本でテレビ番組を作るディレクターとして働いていました。しかし、ゴルフが大好きだし、何より後になって、夢に向かって挑戦しなかったことを、後悔することだけはしたくないと思ったのです。僕の原動力は、ただそれだけです。その一歩を踏み出したのが、IGAです。ゴルフをもう一度、基礎から徹底的に学びたくて、どうせなら思い切ってゴルフの本場アメリカで学ぼうと思い、インターネットでいろいろ調べました。直感で、ここだと感じました。それは、ジョーさんという、アメリカや日本、韓国などの世界中のプロを教える、全米トップのコーチがいること。そして、ゴルフを学びながらも、人間性を高めることを大切にしていると書いてあったからです。人間性まで高められるなんて、とても素晴らしいと思いました。

私は、1回目のレッスンで、いきなり衝撃を受けました。まず、ジョーさんから、

☆今回、どういう目的でここに来たのか?

  ☆将来、どういう人間になりたいか?

と質問されました。今回の目的として、数年後、ティーチングプロの資格を取りたく、そこにつながる基礎を学びたいということをお伝えしました。そして、将来、どういう人間になりたいかという質問については、ジョーさんが、自分の墓石に、どんなメッセージを刻みたいですか?という形で、質問されました。いきなり「墓石って」と、ちょっとびっくりしましたが、私は、「自分の夢に向かって一生懸命生きました」というメッセージを残したいと言ったのですが、ジョーさんが、「僕は、“人を愛し、人のために生きました”というのが素晴らしいと思うよ」と。そのジョーさんのお言葉が衝撃でした。思えば、私は、これからの人生を、自分のために生きていこうとしていました。

IGAでゴルフを学ぶ目的についても、ティーチングプロのレベルに少しでもいいから近づきたいと、自分のレベルアップのためだけを考えていました。しかし、ジョーさんの一言が、あまりにも素晴らしい人生に思え、革命が起きました。「よし! 僕も、“人を愛し、人のために生きていこう!” 願わくば、ゴルフを通して」この時、私の人生の方向性が決まりました。以来、自分がゴルフを学ぶ目線も、自分のレベルアップと同時に、どういう教え方・内容がわかりやすいのかを大切にするようになりました。

毎回、どのレッスンも、それはそれはとても濃厚なもので、どういうステップでゴルフを学ぶことが大切かという大きな柱になること、それは、ショートゲームから学ぶということでしたが、この考え方から、すでに、日本では絶対に学べないことで、感動しました。ショートゲームのチッピング、ピッチングには、フルスイングにつながるポイントが随所にあり、ショートゲームの向上と同時に、フルスイングの基礎作りもできると いう、素晴らしいレッスンでした。ゴルフを学ぶ上で、フルスイングから学ぼうとしてきた自分にとって、間逆の考え方でしたし、ショートゲームをしっかり覚えたら、フルスイングも向上すると思うと、自主練習でも、とても意欲をもって日々、練習することができました。

フルスイングのレッスンになると、それまで、一所懸命練習してきたショートゲームがうまく身についていなかったのか、教えられた通りにできないもどかしさを感じました。

それも、そのはず、私は、ゴルフ部時代、ツアープロから学んでいましたが、スイングを修正するのも、その場その場という感じで、体系的でなく、次第にプロを離れ、レッスン書を読み漁って、独学で学ぶようになりました。そこには、独学の弊害があり、自分自身で、正しいスイングができているのかどうか、正確にチェックできないまま練習する日々でした。結局、悪い癖を身につけ、毎回、熱心に、たくさんのボールを打って練習していても、それは悪い癖を固めるための練習になっていました。素晴らしいドリルを学んでも、その悪い癖が、なかなか抜けず、思い通りにいかなかったのです。この時、ゴルフは最初が肝心で、紀子さんやジョーさんのような良き指導者について、正しい動きを学ぶことが大切だと、かなりいまさらですが、痛感しました。この動きがなかなか身につかない私を見て、ジョーさんは、レッスンのたび、次から次と、この動きを身につけるための、いくつものドリルを教えてくれました。さすが、全米トップ!1つの動きを覚えるために、よくも、まあ、これだけのドリルをご存知だなぁと、ジョーさんの引き出しの多さに感動しました。紀子さんがおっしゃるには、ジョーさんは、“できるまで徹底して教える性格”だそうで、ジョーさんから学んで、アメリカでLPGAのティーチング資格を取られた紀子さんも、この姿勢をもっておられました。私は、“ティーチングプロとして、かくあるべし”という形を、実際に見せていただきました。さらに言えば、紀子さんとジョーさんのこの“徹底”“妥協しない”という姿勢は、人生においても、何をするにも大切なことだと感じました。つまり、ここにも、IGAの“人間性まで高める”という精神があり、私はそれを学ぶことができたのです。

私は、わずか3ヶ月の間でしたが、できる限りの練習をしてきました。私は、直感で魅力を感じたIGAに来て、“ゴルフと人間性を磨くこと”という当初の目的を達成し、さらに、それをはるかに上回る成果が得られたと実感しています。最後に、紀子さん、ジョーさんをはじめ、アメリカでお世話になった全ての方々、常に見守っていてくれた父母、姉の家族のみなさんに感謝します。そして、偉大なるアメリカ合衆国に感謝します。(2009年8月)

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